狩猟民のさだめ
自然組としては、今年度最後の活動日(3/5)です。
先週、みんなで罠を仕掛けました。もし、獲物が掛かっていたら、バーベキューでおいしくいただき、”みんなでこの一年の成長を祝いたい”さながら狩猟民族のようですね。
朝、子どもたちが元気に集まってきました。みんなのドキドキが伝わってくる感じがします。まあ、スタッフもそうなんですけどね(笑)
実は、一昨日に罠に掛かった形跡があり、足先がちぎれて落ちていたそうです。その写真を見せてもらって、話を聞く子どもたち、だんだん現実味が増してきます。
朝の会、今日の段取りについて話します。
・まず罠を見に行く。
・掛かっていたら、止めを刺し適切な下処理。
・帰ってきたら、みんなで何を作って食べるか相談。
そして話は、罠に掛かった猪に、大人二人で止めを刺しに行ったときのことに。その気配を感じた猪は、準備も整う前に、足をちぎって猛進してきました。咄嗟に槍を構えた二人をかわして、3本の足で山の中へ物凄い勢いで立ち去っていったそうです。
「どういう心構えで行けば良いかな?」
「忍者みたいな感じ!」
足音も聞こえない、研ぎ澄まされた感じがピッタリです。この心得を共有した22人の子どもたち、止めを刺すための槍を携えた大人に続いて、罠の場所に向かいました。
大声でしゃべる子を注意したり、いつもとは違う雰囲気で歩いて行きます。近くまで来たので、みんなで心得を再確認します。さらに進み、仕掛けた場所が見えるか見えないかの所で待つことに。そこからは、大人が一人で確認しに行きます。
みんなでじっと見守っていましたが、残念ながら掛かっていませんでした。罠のある場所に集まり説明に耳を傾けます。
「すごく惜しかったね。ここに足跡があるのわかる?」
その窪みは罠のすぐ脇にありました。ギリギリのところを通っていく姿が、目に浮かぶようです。
どんな感じで罠が作動するか、木の棒で突いてみることに。
「ガシャンッ!!」
「びっくりしたぁ。」
「こわぁ!」
声が上がります。その音や掛かる早さ、迫力にびっくりしたようです。木にワイヤーが葉っぱとともにしっかりと括られています。緩め方を教えてもらい、木から外しました。
それから、もう一か所の罠も確認しに行きましたが、残念ながら掛かっていませんでした。
できたら、貴重な体験をしてほしかったし、したかったなぁ。そんな思いを抱きながら、行きとは違った解き放たれた雰囲気の中、帰路につきました。
さあ、何を作るかみんなで話し合いです。”狩猟民のさだめ”今日は肉を食べる資格はありません(笑)
でも、おいしい野菜があります。カレー、炒め物、スープ、天ぷら、ごはんを作ることに決まりました。最初、二、三年生が話し合いでいなかった間、一年生だけで準備が整っていきました。みんなしっかりと生活する力がそなわってきています。
どれも、ほんとに美味しかったなぁ。
最後に、この一年で自分が出来るようになったことを発表し合いました。思いつかない子も、他の子が思いの限り挙げてくれました。
「お手伝いができるようになった。」
「木登りができるようになった。」
「料理が上手にできるようになった。」
などなどたくさん、みんなでいっぱい一年の成長をお祝いできました。
それから、おいしいおやつをいただきました。このところのおやつ班は、商売ができそうな勢いです。
別れ際に来年度に持ち越す出来事がありました。それも含めて、またいっぱい遊んで、みんなで一緒に成長していけたらいいなぁと願っています。