自然組 - 活動日記 -

狩猟民のさだめ

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2022年3月14日

自然組としては、今年度最後の活動日(3/5)です。
先週、みんなで罠を仕掛けました。もし、獲物が掛かっていたら、バーベキューでおいしくいただき、”みんなでこの一年の成長を祝いたい”さながら狩猟民族のようですね。

朝、子どもたちが元気に集まってきました。みんなのドキドキが伝わってくる感じがします。まあ、スタッフもそうなんですけどね(笑)

実は、一昨日に罠に掛かった形跡があり、足先がちぎれて落ちていたそうです。その写真を見せてもらって、話を聞く子どもたち、だんだん現実味が増してきます。

朝の会、今日の段取りについて話します。
・まず罠を見に行く。
・掛かっていたら、止めを刺し適切な下処理。
・帰ってきたら、みんなで何を作って食べるか相談。

そして話は、罠に掛かった猪に、大人二人で止めを刺しに行ったときのことに。その気配を感じた猪は、準備も整う前に、足をちぎって猛進してきました。咄嗟に槍を構えた二人をかわして、3本の足で山の中へ物凄い勢いで立ち去っていったそうです。

「どういう心構えで行けば良いかな?」
「忍者みたいな感じ!」
足音も聞こえない、研ぎ澄まされた感じがピッタリです。この心得を共有した22人の子どもたち、止めを刺すための槍を携えた大人に続いて、罠の場所に向かいました。

大声でしゃべる子を注意したり、いつもとは違う雰囲気で歩いて行きます。近くまで来たので、みんなで心得を再確認します。さらに進み、仕掛けた場所が見えるか見えないかの所で待つことに。そこからは、大人が一人で確認しに行きます。

みんなでじっと見守っていましたが、残念ながら掛かっていませんでした。罠のある場所に集まり説明に耳を傾けます。
「すごく惜しかったね。ここに足跡があるのわかる?」
その窪みは罠のすぐ脇にありました。ギリギリのところを通っていく姿が、目に浮かぶようです。

どんな感じで罠が作動するか、木の棒で突いてみることに。
「ガシャンッ!!」
「びっくりしたぁ。」
「こわぁ!」
声が上がります。その音や掛かる早さ、迫力にびっくりしたようです。木にワイヤーが葉っぱとともにしっかりと括られています。緩め方を教えてもらい、木から外しました。

それから、もう一か所の罠も確認しに行きましたが、残念ながら掛かっていませんでした。

できたら、貴重な体験をしてほしかったし、したかったなぁ。そんな思いを抱きながら、行きとは違った解き放たれた雰囲気の中、帰路につきました。

さあ、何を作るかみんなで話し合いです。”狩猟民のさだめ”今日は肉を食べる資格はありません(笑)
でも、おいしい野菜があります。カレー、炒め物、スープ、天ぷら、ごはんを作ることに決まりました。最初、二、三年生が話し合いでいなかった間、一年生だけで準備が整っていきました。みんなしっかりと生活する力がそなわってきています。

どれも、ほんとに美味しかったなぁ。

最後に、この一年で自分が出来るようになったことを発表し合いました。思いつかない子も、他の子が思いの限り挙げてくれました。
「お手伝いができるようになった。」
「木登りができるようになった。」
「料理が上手にできるようになった。」
などなどたくさん、みんなでいっぱい一年の成長をお祝いできました。

それから、おいしいおやつをいただきました。このところのおやつ班は、商売ができそうな勢いです。

別れ際に来年度に持ち越す出来事がありました。それも含めて、またいっぱい遊んで、みんなで一緒に成長していけたらいいなぁと願っています。

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嘉成永慈
しぜん学校校長

子どもたちが自ら育っていく様子を、しぜん学校スタッフはご家族の皆さんと一緒に見守らせていただきたいと思っています。送迎時にはできるだけたくさん保護者の方に活動時のそれぞれのお子さまの様子をお伝えできればと思っておりますが、なかなか全ての方にお話しすることができません。保護者の方からも、気になることや、ご家庭での様子でお伝えいただけることがありましたら、ご遠慮なくぜひスタッフにお声かけください。また平日の保護者の方との作業は、スタッフとの交流や情報交換の場とも考えております。しぜん学校とご家庭や学校での様子を、ぜひ多く共有できますように。